日本、戦後の集合住宅の歴史を勉強していると必ず登場する集合住宅のひとつが四谷コーポラス(1956年)。
「日本初の民間分譲マンション」という枕詞つきで登場することが多い。
集合住宅という意味では、軍艦島(1916年)、同潤会アパート(1925年:中之郷アパートメント、1926年:青山アパートメント)、宮益坂ビルディング(1953年)が思い浮かぶ。
ただ、民間分譲という意味では、四谷コーポラスが初なのだ。
※1955年に民間企業である第一生命住宅によって、企業社宅向けの分譲住宅、武蔵小杉アパートが建設されるが、これは企業社宅向けの分譲住宅。
この本では、様々な謎が解き明かされる。
・なぜ、マンション第一号なのにコーポラスなのか。
・なぜ、メゾネット式の集合形式になっているのか。
・誰が設計したのか。
・区分所有法に規定される管理組合の規定がない中で、どのように管理がされていたのか。
などなど。
写真も多く、レトロマンション界隈好きには、垂涎ものだろう。